物づくりの本質を大切にした
柴田慶信商店の「大館曲げわっぱ」

2022.10.26

JTCW2022参加店舗のバイヤーが、全国の産地に足を運んだ様子を紹介する
“バイヤーズレポート”。
中目黒のセレクトショップ「YAECA APARTMENT STORE」は物づくりの本質を貫く柴田慶信商店の大館曲げわっぱをチョイス。産地を訪れ、制作にかける思いやこだわりを目の当たりにしてさらに魅力を感じたそうです。

大館曲げわっぱ [秋田]

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YAECA APARTMENT STORE [東京 中目黒]

柴田慶信商店の大館曲げわっぱを取り扱いたいと思われたそうですね。

そうですね。時代や社会の状況に応じて物づくりの在り方が変わっていくのは当然のことだと思うのですが、柴田慶信商店はそういった変化の中で失われつつある本質を大切にして物づくりをされています。その点に大変共感し、ぜひ今回取り扱わせていただきたいと思いました。

高いクオリティのものを作るために天然杉の仕入れから製材、組み立て、乾燥、仕上げまで一貫して自社で行う

洗剤で洗えるようにとウレタン塗装を施している曲げわっぱが増えてきています。消費者のニーズに応えたものではありますが、曲げわっぱはご飯と美味しく食べるために、吸湿性や抗菌性を持つ天然杉を使って作られています。そういった曲げわっぱ本来の良さを失った、スタイルだけのものではなく、本物を扱いたいという思いがありました。

天然の秋田杉は伐採が禁止されているそうですね。

そうなんです。柴田慶信商店には昔、伐採した天然の秋田杉のストックがありますが数は多くないので、山形、青森、岩手などの天然杉を使っています。植林した杉は早く成長させるために良く陽が当たるように間引いて、さらに肥料を与えています。密集してあまり陽の当たらないところで、時間をかけてたくましく育った天然杉とは性質が異なるんです。同じサイズの杉の年輪を比べてみたら数がぜんぜん違うんですね。ゆっくりと成長した天然杉は曲げやすくて丈夫です。

継ぎ目を美しくデザインするのは山桜の皮。山奥まで取りに行かなければならないので危険も伴う

物づくりの本質は使う人の生活を豊かにしてくれるという核に直結していると思っています。そのことを誠実に伝えることでお客様に共感していただけるのではないでしょうか。本質を大事にしながらも、独創性豊かに物づくりをしている柴田慶信商店さんの品の良さを感じていただけると嬉しいです。