波佐見焼の故郷、長崎県へ。最初に訪れたのは、大村湾の穏やかな内海に面した長崎県川棚町の「菊祥陶器」でした。 こちらの工場では、土から陶磁器が完成するまでの生産ラインを視察。 見るものすべてが新鮮で興味深く、お皿やマグカップなどの定番の陶磁器でも、形やデザインによって工程や手法が異なることを知り、とても勉強になりました。
その後、波佐見焼の現状を調査するために波佐見町に移動し、地域で話題となっている販売店などを巡って、現代の生活に調和するお皿、コップ、湯飲み、急須などを見学。 もっとも印象的だったのは、スマホと接続するだけで音楽を大音量で楽しめる「スマホ向けスピーカー」で、伝統産業の中にありながら、時代に即したグッズにも挑戦する産地の方々の姿勢に感心しました。
お話によると、陶器産業は今、大量生産の海外製品との価格競争にさらされ、きびしい状況にあるとのこと。しかしながら、波佐見焼の窯元さんは現状から脱するためにこだわりの製品を作ったり、独自のブランド化を推し進めるなどの努力をされているそうです。私たちはクリエイターや企業との結びつきを深めて波佐見焼の魅力を発信し、日本のものづくりを後世に伝えていくためのお手伝いをしていきたいと思いました。