Buyers Report 2019.10.16

高い品質を保つため、一人の職人が一貫して製作

奈良筆 × nkstand by kakimori

奈良筆 ならふで

目利きのバイヤーが工芸品の故郷を訪ねて、産地のようすや製作風景をレポートするBuyers Report。

DATA
工芸品名奈良筆ならふで
故郷奈良
訪問先株式会社あかしや 奈良本社
FROM BUYER

書くときの色は、心の色。自分を表現するための色だから、百人いれば百通りの色があっていいはず。 あなたの色を一滴、一滴、探し出すよろこびがインクスタンドで待っています。
inkstand by kakimoriのバイヤーが、奈良筆の生産地を訪問しました。

Report

さすが奈良。古都として栄えた、歴史のある街だけあって、墨や書道具を扱うお店がたくさんありました。今回訪れたのは、筆専門メーカー「あかしや」の本社ショールーム。300年に亘り「奈良筆」の伝統を守りながら、化粧筆などの新商品開発に積極的に取り組み、筆の文化と技術の継承に力を注がれていました。もっとも興味深かったのは、各時代の生活スタイルによって筆の長さや形が異なるという、職人さんのお話。現在の形に改良されたのは明治時代以降で、まだそれほど時間が経っていないということを知り、筆が日本人の生活と蜜着していることを改めて実感しました。今回の展示では、現代の生活にもアプローチする奈良筆の多様性や、インクとの相性をご紹介し、筆をさらに身近に感じていただきたいと思っています。

奈良市内にある「あかしや」ショールーム。ここでは職人さんから直接お話をうかがうことができました。
あかしやでは、奈良筆の作業工程を見学。高い品質を保つため、一人の職人がすべての工程を担います。筆作り体験では、糸でフノリを絞り出しながら、穂の形を整えていく「なぜ」という工程を行いました。
長短が異なる十数種類の獣毛を使用。「練り混ぜ法」という技法によって、一本一本ていねいに混ぜ合わせることで絶妙な書き味をもつ穂先に仕上げます。
書道筆として使われる毛は、一度も切られていない獣毛に限られます(切った毛は、書道筆としての滑らかさや書き心地が得られないので、刷毛などに使用)。そんなところにも、日本のものづくりの細やかさを感じました。

ショールームには、書道筆、画筆、筆ペン、化粧筆、書道筆セット(筆、硯、墨などのセット)、などが並んでいました。

今回の展示では、現代の生活にもアプローチする奈良筆の多様性や、インクとの相性をご紹介し、筆をさらに身近に感じていただきたいと思っています。

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