Buyers Report 2019.10.17

時間と手間がかかることを知り、工芸品としての価値の高さに納得

江戸切子 × 東京鳩居堂 銀座本店

江戸切子 えどきりこ

目利きのバイヤーが工芸品の故郷を訪ねて、産地のようすや製作風景をレポートするBuyers Report。 埼玉県草加市の閑静な住宅街にある、江戸切子の工房を訪問。時間と手間がかかる作業体験のようすなどをレポートします。

DATA
工芸品名江戸切子えどきりこ
故郷東京
FROM BUYER

1663年に京都で創業した、香と和紙、和文具を扱う専門店です。“日本の伝統文化を守り育てること”を理念とし、季節感を大切にした、使う人の心や生活が、少し豊かになるような上質な商品づくりをめざしています。
東京鳩居堂 銀座本店のバイヤーが、江戸切子の工房を訪ねました。

Report

埼玉県草加市の閑静な住宅街にある、江戸切子の工房「ミツワ硝子工芸」を訪問。職人さんは意外に若い方が多く、 それぞれの仕事に黙々と取り組んでいる姿が印象的でした。工房では、割出(切子をする際の目安となる基本線を入れる作業)、 荒摺り(ダイヤモンドホイールでグラスをカットする作業)、中摺り(目の細かいダイヤモンドホイールで荒摺り面を整える作業)、 石掛け(中摺りしたカット面を砥石で滑らかに均一化する作業)、磨き(円盤状の木盤やゴム盤などで磨き上げる作業)といった、 江戸切子の一連の作業を見学。一つの製品ができるまでに、相当の時間と手間がかかっているということを知り、美術工芸品としての価値を改めて実感しました。

江戸切子は、江戸時代の後期、海外から持ち込まれたガラス製品の表面に、日本の職人が 紋様を刻み込んだのが始まりだと言われています。
工房には、江戸切子のグラス、花瓶などの工芸品が並んでいました。
グラスに模様(シンプルな葡萄のデザイン)を入れる作業を体験。力の入れ加減や、加工 する位置の把握など、経験とセンスがないと難しいということがよくわかりました。

ガラスを削るダイアモンドホイール
加工前のグラスは前面に色がついたシンプルなもの
工房に展示してある数々の江戸切子
江戸切子の見た目の美しさは、海外から来たお客様にもアピールできるはず…。

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