一度手に入れたら生活に欠かせなくなる
「石見焼」のすり鉢、おろし、そして器たち

2022.10.21

JTCW2022参加店舗のバイヤーが、全国の産地に足を運んだ様子を紹介する
“バイヤーズレポート”。
日常に欠かせないツールとなっている伝統工芸品にとても惹かれるという、「プレインピープル」のバイヤーが今年選んだのは石見焼。産地を訪れその魅力を再確認した。

石見焼 [島根]

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プレインピープル 東急プラザ銀座 [東京 銀座]

昨年に続き、日常生活に欠かせない伝統工芸品を選ばれたそうですね

陶器や磁器でも日常生活に欠かせないツールとして使われている品にとても惹かれます。昨年は伊賀焼の鍋を扱いました。直火にもかけられるしオーブンにも入れられる。デザインが素敵なので器としてそのまま食卓へ並べても美しい。そんな風に伝統工芸品だけれど、現代社会の生活にマッチしていて、かつ、必要とされるアイテムを探しました。

すり鉢の櫛目が非常に強固ですりやすい

その中で、石見焼の特徴を活かしてすり鉢とおろし器作りに特化した元重製陶所、そしてフォルムが美しく使い勝手も非常に考えられている石見で唯一の登り窯を持つ昭和10年開窯の嶋田窯の商品を取り扱わせていただくことにしました。

石見で唯一の登り窯を持つ嶋田窯

二つの窯の魅力を教えてください

元重製陶所のすり鉢は磁器にも近い陶土で高温焼成することで、非常に目が立って強固な櫛目になります。そのお陰で素材をスムーズにすることができます。おろし器はセラミックの突起をあえてランダムに並べているので、すりおろした素材が目に詰まることがなく、洗う時も楽です。これは、3代目4代目共に工学系の勉強をされてきた賜物だと思います。抜群のすりやすさですが、うっかり指が突起に触れても傷つくことはまずないので安心です。

焼き前のおろし。ランダムに並ぶ突起が扱いを楽にしてくれる

嶋田窯はもともと大物が得意な窯元ですが、その技術力を活かして日常のおうちごはんをワンランクアップさせてくれる存在感のある品が揃います。現在は、窯元、息子さんとお嫁さん、お孫さんの3代で窯を守り、スツールなどの大物は海外でも人気で輸出されているそうです。元重製陶所と嶋田窯、特徴の違う二つの窯元さんですが、日常生活に取り入れて一度使い始めたら手放せなくなる魅力にあふれています。高い技術力に裏打ちされて作られた機能性、デザイン性にあふれた品々を見て触って、その使い勝手の良さを実感していただければと思います。

親子3代で窯を守る嶋田窯