秋田県「樺細工」の新たな魅力に触れる
一生もののお気に入りを見つけて

2022.10.24

JTCW2022参加店舗のバイヤーが、全国の産地に足を運んだ様子を紹介する
“バイヤーズレポート”。
JTCW初参加の鎚起銅器「玉川堂」が取り扱い商品として選んだのは秋田県の樺細工。新潟県燕三条で生まれた歴史ある玉川堂が感じた秋田県 樺細工の魅力とは。産地を訪れた感想と共にお話を伺いました。

樺細工 [秋田]

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玉川堂 銀座店 [東京 銀座]

秋田県樺細工を選ばれた理由を教えてください。

私たちは江戸時代から7代に渡り銅器の製作を行っています。燕三条の金属加工は江戸初期に洪水で農業に被害が多発し、生計のために農民たちが副業としての和釘づくりをきっかけに生れました。秋田県の樺細工の始まりは武士の副業だと聞いており、歴史的背景に同様のものを感じました。また現代の暮らしに順応してものづくりをする姿勢にも共通点を感じ、ぜひ扱わせていただきたいと思いました。

使えば使うほど暮らしと生活に馴染み唯一無二の品物になるという点でも、鎚起銅器と樺細工は共通のものがありますね。

職人たちが一鎚、一鎚、銅板を打ち作り上げる銅器は世界でたった一つのものです。そしてその銅器は年月を重ねることに使う人の暮らしに馴染み、その人だけの風合いを醸すさらにかけがえのないものになります。

材料となる桜の木は有限。樹木の負担にならないように採取し、数年かけて再生させる

樺細工も同じで、天然の桜の木の皮を使って作られたものは唯一無二のものです。木目美しい自然のぬくもりのある樺細工は銅器細工と幅広く組み合わせる事ができ、多様なコーディネートを皆様にお見せすることができると思いました。

産地を訪れた感想を教えてください。

角館樺細工伝承館では職人の実演を見ることができる

実際に職人の方々が樺細工を作られているのを拝見し、本当に繊細な職人の技が必要な商品なのだと感じました。産地に行くことでしか感じられない空気感や樺細工の本来の魅力、現地の人々の想いを知ることができました。それをお客様にしっかりとお伝えしていきたいと思っています。

伝統的なものだけでなく、箸置きなど暮らしに取り入れやすい品も扱う

樺細工は防湿と防乾にも優れていて、軽くてとても丈夫です。使い込むごとに艶や光沢が増していくのも魅力の一つです。今回は茶筒などはもちろん、コーヒーミルやトレイなど今の暮らしに馴染むアイテムも取り扱います。伝統の技を大切に守りながら、現代に合わせて日々進化し続ける伝統工芸品の魅力を感じていただければと思います。