現代の生活にしっくり馴染む「小石原焼」

2021.10.25

TCW2021参加店舗のバイヤーが、全国の産地に足を運んだ様子を紹介する
“バイヤーズレポート”。
今回は小石原焼の産地、福岡県小石原地区へ中目黒の衣食住のセレクトショップ「ROOTS to BRANCHES」のスタッフが訪れました。日本の原風景が広がる、のどかな小石原地区で鬼丸豊喜窯、翁明窯元、二つの窯元さんと触れ合う訪問となりました。

小石原焼 [福岡]

×

ROOTS to BRANCHES [東京 中目黒]

初めて小石原地区を訪れたのでしょうか?

はい、そうです。写真は窯元さんが集まっているところから少し離れた山の方ですが、自然豊かで本当に美しい場所でした。

東峰村は小石原焼きの窯元さんが50件以上集まっている村なので、様々な小石原の器が見られるのはもちろん、ギャラリーと工房を兼ねている窯元さんが多いので、作り手とお客さまの距離が近いのがとても魅力的だなと感じました。

今回、小石原焼をセレクトした理由に“ROOTS to BRANCHESらしさ”を感じた、ということでしたが、小石原焼のどのあたりに“らしさ”を感じられたのでしょうか?

翁明窯元

私達は衣・食・住すべてに関わるアイテムを取り扱うセレクトショップです。人々の生活に自然に寄り添ってくれるような商品を意識しています。

洋服を扱うお店を訪れるお客様と伝統工芸品を購入しようとお店に行くお客様は意識が違うと思うんです。可愛い洋服がありそうだな、と思ってお店に入ってみたら洋服のそばにちょこんと器がある。その時に、きらびやかなものだったり、とても装飾に凝ったものだったりしたら自分の生活に取り入れるイメージがなかなかわかないと思うんです。特に若い方たちは。なので、普段使いできる、家に持って帰ってもインテリアや生活に馴染んでくれそうだな、と思っていただけるものを置きたいと思いました。そんな中で小石原焼がピッタリだなと思ったんです。

お店の雰囲気にとても合っているなと感じました。

ありがとうございます。最近はおうち時間を充実させたいという想いを持った方たちが増えていることを実感しています。思うように外食できなくなった背景もあり、食卓を充実させるために器を変えることってすごく大切だと思います。小石原焼はそんな普段の食卓を充実させてくれる、暮らしにフィットした素晴らしい器だと思います。

今回二つの窯元さんを訪れていらっしゃいますが、それぞれの特徴を教えていただけますか?

鬼丸豊喜窯

鬼丸豊喜窯(おにまるとよきがま)さんはお父様と奥様と息子さんのご家族でされている、お父様の豊喜さんが一代で始められたアットホームな窯元さんです。

鬼丸豊喜窯

刷毛目がとてもスタイリッシュでデザインがカッコいいんです。豊喜さんがとにかく制作作業がお好きで、軽くて薄くて日常使いしやすい器を意識して作られています。

鬼丸豊喜窯

大小さまざまな14種類もの刷毛を使って描かれる模様は本当に素晴らしいです。

鬼丸豊喜窯

翁明窯元(おうめいかまもと)さんはいかがでしょうか?

翁明窯元

こちらは若手の職人さんたちが集まった活気あふれる工房でした。

翁明窯元

飛び鉋(とびかんな)のデザインが特徴的で、やわらかいホワイトカラーのマットな色味の器です。和洋中どんなお料理にも合うと思いますし食卓や生活空間にとても取り入れやすいと思います。

翁明窯元

伝統工芸を大切にしながら、今の時代のカジュアル性やデザイン性を感じさせるところは若手の職人さんならではだと思いました。

翁明窯元

ありがとうございます。今回のJTCWに参加されてどんなことを期待されますか?

お店を訪れてくれるお客様は中目黒という土地柄もあって、若い方が中心です。普段あまり伝統工芸品に触れない層の皆さまだと思うのですが、そういった方々に実際に器を手にとっていただいて、日本の伝統技術の素晴らしさを感じてもらって日本の文化や伝統工芸品に興味を持っていただけたらとても嬉しく思います。