代々受け継ぐ漆器の魅力「輪島塗」

2021.11.02

JTCW2021参加店舗のバイヤーが、全国の産地に足を運んだ様子を紹介する
“バイヤーズレポート”。
今回は輪島塗の産地、石川県輪島市へ青山のセレクトショップ「リアルスタイル青山店」のスタッフが訪れました。
歴史ある蔦屋漆器店の土蔵をベースにした店内のデザイン性の高さや本質を大切にする心に触れ、改めて漆器の素晴らしさを感じる訪問になりました。

輪島塗

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リアルスタイル青山店

今回なぜ輪島塗を取り扱おうと考えられたのでしょうか?

リアルスタイルでは以前から各地の漆器を取り扱わせていただいておりました。弊店のコンセプトとして上質なアイテムを長くお手入れをしながら使っていただく、ということがあります。お客様はただ高いだけではない、真に上質な商品を求めていらっしゃいます。輪島塗はそんなお客様に向けて自信を持ってご紹介できる伝統工芸品であると思っています。

漆器というとハレの日に使うもの、というイメージがありますが、リアルスタイル青山のコンセプトは上質なものを日常使いとして取り入れることだと伺いました。

はい。漆器を特別な日、お正月やお祝い事だけに使用するという方は多いと思います。ですが、道具は日常的に使ってこそです。今回訪問した蔦屋漆器店の大工さんにお聞きしたのですが、かつて輪島塗は北前船で北海道の漁師さんの元締めのところまで定期的に運んでいたそうです。新しいものをお届けして、欠けたりヒビが入ったものを持ち帰り修繕し、またお届けする。そういったことを繰り返しながら輪島塗は一生ものの道具として親しまれていました。そうやって本当に良いものをずっと長く使うということをかつて日本人は当たり前にしていたんですよね。

蔦屋漆器店の店舗はとても歴史を感じられるのにモダンでデザイン性に富んでいますね。

ええ、私も実際に訪れて感動しました。土蔵を利用したギャラリーで凛とした空気感がとても印象的でした。空間提案をされながら、商品を展示している様はリアルスタイル青山とも通じるものを感じました。

また現代の生活の中にどう漆器を取り入れたらいいのか、テーブルコーディネートの提案までされていて大変素敵でした。

今回の取り組みでどんなことを伝えていきたいと思いますか?

輪島塗のシンプルなデザインと、ただそこにあるだけで美しい佇まい、伝統に裏打ちされた技術力の高さは本当に素晴らしいです。今回、産地を訪れ制作過程の説明などを受けて、その価格の理由を改めて知ることができました。輪島塗は高い技術力と気が遠くなるほどの工程を経て生み出される工芸品なんですよね。その点をリアルスタイル青山を訪れていただいたお客様にしっかりとお伝えしていきたいと思っています。そしてハレの日だけでなく、日常生活の中に輪島塗を取り入れていただけるようになればいいな思っています。