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- BUYER’S REPORT VA-VA CLOTHING & VARIETY × 天草陶磁器 (熊本)
from Editors
デザイナー馬場隆臣氏がディレクションするセレクトショップ、VA-VA CLOTHING & VARIETYはJTCW初参加です。自身のブランド『VA-
BUYER’S REPORT
JTCWの取組み先である、熊本の天草陶磁器の窯元「陶丘工房」へ訪問しました。
天草の海や田園風景が広がる小高い丘の上に、陶丘工房はあります。
陶主の末石昌石さんは1963年鹿児島県出水市生まれです。天草の丸尾焼にて18年間修行したのちに独立し、1999年に陶丘工房を開きました。シンプルでどんな料理にも合いそうな、またどんな料理を盛ろうかという意欲を掻き立てられる器を作陶しています。
末石さんは、優しくてお話ししやすい方で、今回訪問時の打合せもこちらの意見をよく聞いたうえで提案してくださり、スムーズに進められました。
工房と併設したギャラリーには土味を生かしたシンプルな日用雑器がたくさん並べられています。ディスプレイも一枚板を什器として使っていたりと、末石さんの器の世界観にとてもよくマッチする見せ方をしていて参考になりました。
作品に使用する陶土は、天草郡苓北町の土をベースに鉄分や土味を足すために唐津や美濃の土などオリジナルでブレンドして使っています。末石さん独自の素材です。
天草郡苓北町は、古くは江戸時代から磁器化する天草陶石の産地として知られており、今日でも磁器の原料として伊万里・有田焼などにも使用されています。
末石さんは、黒い粘土に白い土をのせて焼く“粉引”という技法を中心に作陶されています。
JTCWの企画でも、鎬や白をベースにした粉引の器を中心に、黄色やゴールドなどの色をアクセントに入れたへら皿や鉢、マグカップなどを作っていただく予定です。
鎬のカップは高さや口の広さ、持ち手の大きさのバランスなどバランスよく計算されています。見た目に魅力的なだけでなく、使い手の心地よさも追及しています。
平皿や角皿、カップに鉢などシンプルで使い勝手の良い器たちです。
陶丘工房にて充実の見学と打合せを終え、帰途につくことにしました。熊本空港より約2時間半、天草の綺麗な海を眺めながら車を走らせます。
自分が生まれ育った熊本に、豊かな自然と風景、工芸品が育まれていることを今さらながら実感しました。そして、地元ゆかりの工芸品を扱う仕事ができる喜びを胸に抱きつつ、産地への訪問を終えました。
参加産地と店舗では、春から二人三脚で企画を進めており、産地への訪問もこのイベントの重要な取り組みの一つです。産地「作り手」とお客様「使い手」をつなぐ店舗の「売り手」には、とても重要な役割があります。「作り手」の制作にまつわる様々な苦労や想いを、商品を買って使ってくださるお客様に伝えられるのは「売り手」だからです。
JTCWでは、開催期間中に並ぶ商品がどのような環境で生まれ、作り続けられてきたのか。どのようにしてそれらが今回並ぶことになったかの経緯も紹介したいと考えています。
そうすることで、工芸品に接する際に少しでも身近に感じてもらい、興味を持ってもらえたら、このイベントもより楽しんで参加いただけるでしょう!
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