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report 2017.10.20

プレインピープル青山 × 別府竹細工 (大分)

from Editors

表参道の緑深い通りに面した路面店のプレインピープル青山では、別府竹細工とのコラボレーションです。
ファッション専門店でありつつ、「ピュアに自然体で心地よく生きる」衣食住を含むライフスタイルの提案をしています。ここ青山店は2015年から3回目の参加で、年々JTCWも定着しつつあり、ファンを増やしています。2015年は「石州和紙(島根)」、2016年は「三川内焼(長崎)」とコラボレーションしてきました。
今年コラボレーションする、別府竹細工の産地訪問の様子をお伝えします。
以前から取組みを検討していたこともあり、ワクワクする訪問の様子が伝わって来ます。

プレインピープル青山 × 別府竹細工 (大分)

BUYER’S REPORT

室町時代に始まるといわれる別府竹細工ですが、竹細工をはぐくんだ大分県は良質な真竹の産地でもあります。
竹のヒゴから編み上げて何十年も持つ丈夫な竹細工のざるに長年焦がれていました。そんな竹のざるを台所に揃えて色々な使い方を工夫したいと思っておりました。
今回は念願の別府竹細工との取り組み、とてもわくわくして大分県別府市への産地訪問させて頂きました。

<Day 1>

初日に案内下さったのは、伝統工芸士、高江雅人さんです。高江さんは、プレインピープル青山で四海波(竹かご)のワークショップを実施して下さることになりました。

まずは大分県立竹工芸訓練センターを見学させて頂きました。


左 大分県立竹工芸訓練センターの様子/中央 訓練学校内のアーカイブ展示  色々な編み目も展示されています。/右 訓練学校内、竹の材料置き場

こちらは県立で竹のプロを目指す方が通えます。1学年12名で、年齢制限はありますが他県から参加も多いそうです。訓練センターには卒業生が数名使えるアトリエスペース、竹のストックルーム、竹工芸の方々が時間でレンタル出来る大掛かりな機械、アーカイブの展示スペースと、すべて完備されています。後継者問題を抱える産地が多い中で、別府竹細工に魅せられて集まってくる方が多い別府ではそのような問題はなさそうです。大分県の政策がすばらしいと思います。

次に今ではすっかり少なくなってしまったという製竹所の見学です。見学させて頂いたのは市内にある大正時代創業の永井製竹です。

こちらは伐採された青竹の加工場です。
切り取ったばかりの青竹は長く使う竹工芸品にはそのまま使えず、登り窯のような長い竹のお風呂でぐつぐつと10分位煮られて油抜きがされます。それを天日乾燥する事によりきれいな白竹となります。こちらで加工される竹はすべて大分県内の竹だそうです。こうして加工された竹を使って竹工芸士の方は、自分で使うひごは自分で作り、作品を作り上げるそうです。

次にご案内頂いたのが別府市竹細工伝統産業会館です。こちらでは竹細工の歴史、素材、そしてその多彩な編みや、竹工芸で初の人間国宝に認定された生野祥雲斎氏の作品も展示されています。

お魚のおいしい別府ならではのいけす割烹平家でゴージャスランチ(名物のとり天もつけて)にお連れ頂きました。


左 永井製竹の加工場/中央 別府市竹細工伝統産業会館で、高江さんとともに/右 平家でのランチ

その後、別府市から車でぐんぐんと山を登ること30分、宮崎駿の世界に出てきそうなトンネルを抜け到着したのが宇佐市安心院町萱籠(アジムマチカヤゴモリと読みます)にある高江さんの工房、竹工房オンセです。宇佐市は八幡総本山 宇佐神宮でも有名です。
高江さん工房は広い敷地にあり、招き猫ならぬ白い招きライオンが迎え、なんと建物のログハウスは高江さんの手造りだそうです。
今回のJTCWでのワークショップ、四海波を実際に私も作らせて頂きました。ぴろぴろとしたひごから、留め具もなにも使わず、カゴが出来て感激。店頭でのワークショップではかごにおとし(筒のような物)も付けて下さるので、お花を活けたり、カゴとして使ったりできます。


左 高江さんの工房内。こちらは編み上げたバッグに漆を塗り乾かしているところ。漆を乾かすのに湿度と暖かさが必要です。/中央 竹工房オンセさんの若い職人さんがひご作り/右 ワークショップのトライアルに私が作らせてもらった四海波

工房には若手の竹職人さん達が集まり物つくりをしています。高江さんはこの地で1985年に手造りのログハウスを作り、1993年に竹工房オンセを設立、2000年に伝統工芸士に認定され、繊細で美しい竹のバッグを得意とされています。

<Day 2>

2日目は竹楓舎の大谷健一さんにご案内頂きました。別府市内の大谷さん主宰の竹かご製作工房 竹楓舎をまず訪問。大谷さんはマダケを使った白ものの、「シンプルで毎日のくらしに 少しやすらぎ」を得られる物つくりをされていて、日々の生活に使いたい素敵なかごやざるを作られています。
大谷さんの弟子や仲間も、工房で一緒に竹工芸に取り組まれています。


左 大谷さんの工房竹楓舎にて 白物竹細工/中央 大谷さんの工房竹楓舎にて 網中さん/右 大谷さんの工房竹楓舎にて ひご作り 一木さん

ひご作りや編みを見せて頂いた後、おしゃれな 「一休の泪」という別府冷麺のお店に連れて行って頂きました。冷麺も別府の名物だと今回初めて知りました。空港へ向かう市内のバス停へ行きがてら、残念ながら混んでいて買えませんでしたが大正5年創業のあんぱんが美味しい友永パン屋さんや大谷さん達の作品を置いている生活道具と雑貨の店、Spicaへも。そして別府最古の銭湯、竹瓦温泉や木製のアーケードなども。
今まで何度か湯布院や別府の温泉への旅はした事がありましたが、今回は全くお初の別府を見せて頂きました。


左 Spica店頭 大谷さん、一木さん、網中さん/中央 別府市内、別府最古の銭湯―温泉/右 大正5年の人気のパン屋さん

長年取り組みたかった別府竹細工とのコラボレーションが決定し、別府へも産地訪問という形で訪問することが出来ました。現地でご案内下さった高江さん、大谷さん、皆様感謝です。JTCWの開催に向けて、準備してまいります。

 

COLLABORATION

プレインピープル青山 × 別府竹細工 (大分)JAPAN TRADITIONAL CRAFTS WEEK 2017青山・表参道エリア
プレインピープル青山 この店舗に行く

参加産地と店舗では、春から二人三脚で企画を進めており、産地への訪問もこのイベントの重要な取り組みの一つです。産地「作り手」とお客様「使い手」をつなぐ店舗の「売り手」には、とても重要な役割があります。「作り手」の制作にまつわる様々な苦労や想いを、商品を買って使ってくださるお客様に伝えられるのは「売り手」だからです。
JTCWでは、開催期間中に並ぶ商品がどのような環境で生まれ、作り続けられてきたのか。どのようにしてそれらが今回並ぶことになったかの経緯も紹介したいと考えています。
そうすることで、工芸品に接する際に少しでも身近に感じてもらい、興味を持ってもらえたら、このイベントもより楽しんで参加いただけるでしょう!

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