日比谷花壇 × 内山紙 産地訪問レポート
花のある暮らしを常に提案してくださる日比谷花壇さん、今年は内山紙とのコラボレーションです。
内山紙の生産地は山々に囲まれた奥信濃で、信州の中でも豪雪地帯として知られています。
和紙というと、手漉きをしている姿が思い浮かびますが、それは工程のほんの一部にしか過ぎないのです。
どれほど職人の技や手間ひまが詰まったモノであるかを、日比谷花壇さんが実際に産地を訪れ体験してくださいました。
産地を訪れて、まず私たちは原材料である楮(コウゾ)を見せてもらいました。内山紙はこの楮のみを原材料としていることが特徴の一つです。
この楮、収穫後に蒸煮を行い、天日干し、皮はぎ、といったいくつもの工程を繰り返した後、“雪さらし”という工程を行います。雪にさらすことで雪が解ける際に発生するオゾンが持つ漂白効果によって楮が白く漂白されるそうです。これによって温かみのある白い和紙は生まれ、また日焼けしにくくなるそうです。自然の力の偉大さを感じずにはいられません。(写真左が雪さらし前、写真右が漂白前後を比較したもの)。
その後また煮熟や打解などの工程を経て、楮の繊維を解きほぐします。冷たい水の中で行いますので、寒さの厳しいこの地ではこれだけでも大変な作業です。しかし洋紙パルプとは異なり、こんなに太くて長い繊維が絡み合うからこそ、あの強い内山紙となるのです。そして強さを持ちながら、漉いた後のその柔らかさにも驚かされます。
そしてこのような個性的な作品も内山紙にはあります。これも手作業のため、同じ色合い・模様は存在しません。
“花”と“紙”の織り成す世界――、緑に囲まれた日比谷公園でお待ちしております。