MA by So Shi Te (マ バイ ソシテ) × 石見焼 産地訪問レポート
Ma by So Shi Teさんは石見焼と組まれています。石見焼は島根県の伝統的工芸品です。
島根県は石見銀山が世界遺産に登録されたほか、出雲大社などの観光地があります。Ma by So Shi Teさんが石見焼のこと、そして島根県のことを報告してくださいました。
1. 石見焼とは
石見焼(いわみやき)は、18 世紀の中頃から江津市を中心とした島根県の石見地方で焼かれている陶器の総称で、最盛期には 100 軒を超える窯元があったと言われていますが、現在では十数軒の窯元のみに減ってしまっています。古くは大きな水瓶を主に量産していましたが、近年ではカップや茶碗などの日用品なども作られ、多種多様な食器も製作されています。
石見地方の町並みを見ると、独特な光沢のある赤茶色の瓦屋根が広がります。これは島根県東部の出雲地方で採れる来待石から作られる来待釉薬の色で、典型的な石見焼はこの赤茶色の釉薬を使った焼き物でしたが、近年では様々な釉薬を用いて色鮮やかな陶器が作られています。
2. 石見地方と雪舟窯
石見と聞くと世界遺産に登録された石見銀山が有名で、銀山と麓の古い街並みが美しい歴史のある街。今回訪れた雪舟窯は石見銀山からも車で 1 時間ほどのところに位置する浜田市の山の麓にある工房。東京からは電車で 6 時間以上の長旅となりますが、のどかな田園風景と赤茶色の屋根、そして緑に覆われた山々に囲まれた美しい小さな町。訪れた 8 月 21 日は 37 度を超える残暑の厳しい日でしたが、山から吹く風は心地よく冷房の無い工房はのどかな空気で満たされていました。
- 雪舟窯の由来は石州ゆかりの雪舟の伝統にあって、深く雪舟に傾倒してその精神を何とかして陶土の上に再現したいと長年研究せられたのが先代の福郷柳仙氏。現在は 2 代目の惣作氏、そして 3 代目の生雲氏によりその精神は受け継がれ、より現代的にアレンジされた食器を中心に作陶が続けられています。
- 店舗を兼ねた工房を訪れると、赤や青、茶色の色とりどりの作品が所狭しと置かれている。 伝統を守りつつ常に新しい物を生む雪舟窯は様々な趣向の焼き物に出会える素敵な工房。人の趣味趣向は年代とともに移ろうもの。 いつ訪れてもお気に入りが見つかる、そんな場所かもしれない。
3. 展覧会にお目見えする予定の作品達
今回の展覧会では伝統的な石見焼の赤茶色の釉薬を使った食器、そして二代目惣作氏が生み出した黒くて渋い錆雲釉の食器や壺、そして三代目が手掛けたモダンな食器をそれぞれご紹介させていただきます。同じ窯元にして全く違う作風が一度にご覧いただけ、工房のギャラリーを訪れるような見る楽しみも体験していただけると幸いです。
4. 新作の深平皿、中鉢、小鉢
今回の展覧会に合わせて MA by So Shi Te の提案する伝統をモダンにアレンジした深平皿、中鉢、小鉢を雪舟窯が得意とする赤と青の 2 パターンで製作していただいています。
個々に使っても使いやすく、3 点を重ねて収納した時に美しいフォルムになるように考えられたデザインは普段使いとして、そして人をおもてなしするときにもお使いいただける食器になるかと思います。まだ試作段階ですが、展覧会までには修正をしながら完成させていただく予定です。お楽しみに♪ 画像の試作からサイズも変更し、より使い勝手の良い器に仕上げていただく予定です。 10 月末の展覧会に間に合うように急ピッチで改良を加えていただいています。-
上: 試作をしていただいた新作をベースに、改良点を打ち合わせ。
左: 試作の 2 色 3 種の新作の器。赤の色の改善と、更に薄く作って軽量化を依頼中。
下: 薄く軽量化した器の素焼き版 左から 2 代目惣作氏、3 代目生雲氏、店長、弊店スタッフ。陶芸の体験教室も行っているので、浜田市方面へ行かれる方は是非寄られてみてくださいね。
5. 島根県と石見銀山
島根県と言えば有名なのは出雲大社ですね。飛行機を利用すれば羽田から出雲まで 1 時間ちょっと。電車で行くと岡山乗り換えで 6 時間以上、そして東京からサンライズ出雲の夜行列車に乗って行けば 12 時間と行き方により大分異なりますが、この忙しない現代でのんびりと夜行列車に揺られて旅するのも良いですね。
出雲大社は言わずと知れずの観光地。一生に一度は訪れたいところです。近くには島根ワイナリーもありワインの試飲を楽しんだり、そして歴史に興味がある方は島根県立古代出雲歴史博物館も直ぐ近くにあるので、ゆっくり 1 日を過ごせる場所です。 石見銀山は出雲から車で 1 時間。雪舟窯のある浜田市は更に西に 1 時間程車で走ります。
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他には横山大観のコレクションと美しい日本庭園で有名な足立美術館も島根県ですね。
松江まで足を伸ばせば松江城もあり、古い街並みを散策。 宍道湖のほとりにある観光の後の疲れを温泉で癒されてはいかがでしょうか?
松江市は玉造温泉などの温泉街にも近く東京からは少々遠い島根県ですが、見どころが満載です♪